~黄金人に聴く~ 「黄金レモン」生産者:手嶋さん
今回お話を伺った黄金人は、涌谷園芸ファームの手嶋さんです。「黄金レモン」栽培成功までの苦労や、その味の特徴などを伺いました。
「黄金レモン」の誕生秘話

もともとシクラメンなどを花き栽培・販売している手嶋さん。当初、花き栽培の適した環境と技術を生かしたレモン栽培の相談がありましたが、その時は興味がなく手をつけることはありませんでした。しかし、一時期体調を崩したことをきっかけに、「人生で何か好きなことをして、誰かの思いに届くものを作りたい」という思いが芽生え、同時に、コロナ禍が始まったタイミングで、自分が住む町・涌谷町をはじめ飲食店のみんなを元気付けたいという思いを強く抱くようになりました。それらがきっかけとなり、日本で初めて金が採れた町にちなみ、黄金色のレモンを町の『黄金食財』にしようと、2020 年にレモン栽培をスタートしました。
初年度の苦戦と奇跡の発見
初年度は、市場で購入した苗を右も左もわからない状態でチャレンジし、栽培したレモンは20個ほどしか実りませんでいた。しかし、このとき収穫したレモンを食べてみると、とても甘く、皮に苦味やエグ味もなく、果汁もたっぷりだったそうです。実は、当初注文したはずのリスボンレモン品種の苗が、誤ってマイヤーレモン品種の苗が届いており、それを育てたことで、この甘さと 皮まで美味しく食べれる黄金色のレモンに出会えた奇跡でした。
「黄金レモン」販売開始へ
奇跡が生んだ「甘いレモン」が、東北の食文化に合っていると考え、次年度も同じ苗で栽培することを決心。そして実った果実が涌谷町に縁のある黄金色であったことから「黄金レモン」と命名し、ブランド化を始めました。
次年度は皮の苦みを減らすために肥料を工夫し、80kg の収穫を達成し、甘さも向上しました。この成功を受けて、県内のレストランや飲食店などをメインに一般販売を開始しました。
現在では、黄金レモンの美味しさに魅了された方々の問い合わせも多く、わざわざ足を運び、自らの手で収穫していくなどの人気となっています。
黄金レモンの特徴
黄金レモンは、糖度が15と一般的なレモンの約2倍。そしてすっぱさが口に残らないマイルドな酸味、果汁量の多さが特徴です。花き栽培の技術を活かした、皮に苦味やエグ味がなく丸ごと美味しく食することができるレモンです。
収穫時期は12月〜2月。できる限り完熟に近いタイミングでの収穫を大切にすることで、黄金レモンの美味しさを生み出しています。
おすすめの食べ方
皮まで美味しいレモンなので、レモンを丸ごと使用するのがおすすめです。
蜂蜜レモンや塩レモンなどでドリンクや調味料のように使用したり、お肉をレモンに漬けておくことで、さっぱりとした味わいの爽やかなステーキとして召し上がっていただけます。酸味がマイルドなので、お子様から年配の方まで美味しく食べていただけます。
また、無農薬なので農薬アレルギーを持っている人にも安心して食べてほしいと手嶋さんは語ります。
全国から注目が集まっている黄金レモン。まずは涌谷町内で食べられる場所を増やしたい
「ありがたいことにテレビなどのメディアで取り上げていただく機会があり、全国から問い合わせをいただいているので、ゆくゆくは県外のホテルや飲食店での利用も増えてほしい」とのこと。
レモネードの売上を小児がん治療のために寄付する「北海道レモネードの会」へレモンを無償提供しているなど、すでに黄金レモンの取り扱いは全国に広がりつつありますが、手嶋さんの今後の展望は「まずは涌谷町内でもっとたくさんの飲食店で黄金レモンを食べられる場所を増やしていきたい」とのことでした。
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”黄金人”とは
日本で初めて黄金を産出した涌谷町。そんな涌谷を拠点に活躍する生産者の方々を「黄金人(おうごんびと)」と呼び、ものづくりにかける想いを聞かせてもらます。